トレーナーとして最近印象の残ったアスリート
こんにちは!代表トレーナーの渡辺です。
近年はアスリートがトレーニングや体づくりの情報をSNSで公開したり、コンディショニングがニュースとして取り上げられることも多くなりました。体づくりやパフォーマンスアップをサポートする身として、それらの情報を楽しく見ながら、勉強させてもらっています。
そのような情報なども含めて、ここ最近で私が印象に残ったアスリートを紹介していきます。
・山本由伸選手(プロ野球)
オリックス、そして昨年のオリンピック日本代表のエースです。オリックスのトレーナーの方がトレーニング動画をインスタで公開されていますが、「由伸体操」というブリッジの体勢を基本とした自重トレーニング&ストレッチは、見事な動きです。肩や股関節の柔軟性・背骨がたわむ背中の柔らかさ・不安定なバランスで安定性を保つ全身の筋力コントロールなど、どれをとっても超一流の動きです。
・佐々木朗希選手(プロ野球)
先日は完全試合を達成、160キロを超える球と落差のあるフォークで奪三振の山。日本プロ野球界の若き至宝です。この佐々木選手が開脚やブリッジをしている映像や写真をよく目にします。オリックスの山本選手と同様、全身の関節可動域が大きく柔軟性があり、しなやかな筋肉をつくっています。中学生の頃から意識的に柔軟性を獲得してきたとご本人もおっしゃっており、あのダイナミックな投球フォームが可能になっているようです。
MLBの大谷選手も柔軟性が高いことで有名ですが、現代のトッププレーヤーに共通するのが、柔軟性が高いことです。柔軟性が高いということは、関節の可動域が広いことと、筋肉の伸長・収縮能力も高いということで、大きなパワーが発揮できます。
また、関節の動きの制御などでの筋力の出力が高く、代謝機構が発達しているため、太りにくいということもわかってきています。ヨガのティーチャーに細身の方が多いのも関係があるようです。体づくりの参考になりますね!
・三苫薫選手(サッカー)
今やサッカー日本代表の常連となりました。私もかつて運動学を学んだ筑波大学出身の選手です。ゴール前でのドリブルのキレなど、細かい動きが特に優れています。自身のプレーヤーとしての長所や短所を客観視しながら、レベルを上げているところは見事です。その理由はトレーナー・栄養士らとチームを組んでヨーロッパで闘っていることにもあります。サッカーを科学的に捉える三苫選手自身の力とトレーナーによるフィジカルの向上、栄養士による食事の管理を行ないながら、自身のキャリアを客観的に捉えられる環境が備わっているからこそ成せる技だと思います。
私もパーソナルトレーニングに取り組まれるお客様に対して、お客様自身では気付けないポイントをお伝えすることを常に意識しています。
・エリウド・キプチョゲ選手(マラソン)
ケニアの現マラソン世界記録保持者。37歳という年齢ながら、出場する大会で素晴らしいパフォーマンスを見せてくれます。先日、私も走った東京マラソンで、一瞬彼の走りを目の前で見ることができましたが、カモシカのような躍動する走りに感動しました。ケニアやエチオピアには圧倒的な走力と心肺機能を持った選手が多いですが、彼が圧倒的に強いのは、彼の考え方に起因する部分が大きいのではないかと思います。彼はインタビューなどで、「世界が平和でランニングワールドになるために走っている。走ることを愛している。」という発言をしています。根本のビジョンが大きく、そのビジョン実現のためにトレーニングを中心とした生活がなされているようです。それが彼の圧倒的な強さに繋がっているとすると、大変参考になる生き方です。
・ゲンナジー・ゴロフスキン選手(ボクシング)
先日の村田諒太選手との試合も、驚きの一言でした。天性のボクシングセンスがあるのは間違いないのですが、40才でありながらフィジカルとスタミナが素晴らしく整えられていることに感動しました。トレーニング動画も公開されており、パワー系だけでなく、動きを重視したトレーニングも多く取り入れています。体をうまく使い、効率的に試合に勝っていくためのトレーニングスタイルは、スポーツでなくても、健康的な体をつくる上でのヒントにもなるように感じました。
アスリートは体づくりが仕事でもあるので、トレーニングや食事やケアにベストを尽くすのは当然のことです。しかしその当然のように行われていることがどんどん進化し、それによりパフォーマンスが上がり、人間の可能性が広がっていくことは、非常にワクワクしますし楽しみです。
私は職業柄、アスリートのトレーニングを含めたコンディショニングや考え方にとても興味があります。皆さんも試合で感動することに加え、一流アスリートがどのような考え方でどんなトレーニングをしているか、どのように自分のリズムを作り出しているかなどの側面からも見てみると、とても参考になると思います。
パフォーマンスを高めるための体づくりは、職業としてのアスリートだけのものではなく、人生を充実させるために、皆さんに共通することだと思っています。